2023年6月25日、プリゴジンが率いるロシアの民間軍事会社「ワグネル」がロシア軍に対して反乱を起こしました。
聞き慣れない言葉が多く、何がどうなっているのかよく分からないですよね。
今回は通称「プリゴジンの乱」について、小学生でも分かりやすいように簡単にまとめてみました。
民間軍事会社ワグネルとは
まずは、ロシア軍と対立した民間軍事会社「ワグネル」(別名:ワグナーグループ)について解説します。
ワグネルはロシアのサンクトペテルブルグに本部がある準軍事組織です。
準軍事組織とは?
軍隊と同様の組織・装備を持つが、国軍ではない組織のこと
ワグナル部隊は、ウクライナの指導者を暗殺するために配置されていました。
創設者はエフゲニー・プリゴジン
民間軍事会社「ワグネル」の創設者はエフゲニー・プリゴジンです。
エフゲニー・プリゴジンは1961年6月1日、ロシアのサンクトペテルブルクに生まれました。
現在62歳です。
欧米メディアによると、プリゴジンは強盗で逮捕された過去がありました。
プリゴジンは服役後にホットドッグの屋台を始めます。
その後、食品販売やレストラン経営を手がける企業のオーナーとなり、レストランに足を運んでいたプーチン大統領と親友関係になりました。
そして2014年に準軍事組織「ワグネル」を創設します。
ワグネルはロシアが軍事介入したシリアなどで、戦闘に参加したり、大統領府向けのケータリングや軍を養う大型契約も結ぶなど、ロシアに対して貢献してきました。
プリゴジンは、ウクライナ侵攻の激戦地で戦ってきたことで「プーチンのシェフ」という異名を持っています。
プリゴジンの乱とは?わかりやすく解説!
なぜ「プリゴジンの乱」が起きてしまったのでしょうか?
分かりやすく簡単に解説していきたいと思います。
①プリゴジンが民間軍事会社「ワグネル」を創設
2014年にプリゴジンが民間軍事会社「ワグネル」を創設しました。
②ワグネルが世界中でロシアの利権を得るために暴れまわる
ワグネルはロシアの利権のために活動することが多々ありました。
③ワグネルがウクライナ侵攻で大きな戦果をあげる
ウクライナ侵攻でワグネル部隊は、ウクライナの指導者を暗殺するために配置されます。
ワグネル部隊は前線に囚人や受刑者を使用し、特攻のような人命を大切にしない攻撃をし、戦果をあげます。
そしてプリゴジン率いるワグネル部隊はロシア国内で賞賛されました。
④ワグネルとロシア軍の関係悪化
協力関係にあったワグネルとロシア正規軍でしたが、次第に関係が悪化していきます。
ウクライナ侵攻で調子に乗ったワグネル部隊は、どんどん組織を大きくしていきます。
2023年5月、ウクライナ東部の激戦地バフムトの最前線で戦っていたワグネル部隊に「弾薬を十分に供給していない」としてプリゴジンはロシア国防省や軍を痛烈に批判するようになります。
プリゴジンが批判していたのは、主にこの2人です。
セルゲイ・ショイグ国防相
ワレリー・ゲラシモフ軍参謀総長
ワグネルとロシア軍はどんどん関係が悪化し、実際に攻撃することも多々ありました。
⑤ワグネルがロシアの命令を無視
ロシア軍にとって「危険な存在」になってしまったワグネル。
ロシアから国防省の統制下に入るよう命令されますが、ワグネルは無視してしまいます。
⑥23日:プリゴジンがロシア軍に対する報復宣言
2023年6月23日、ついにプリゴジンがロシア軍に対して報復を宣言します。
プリゴジンがSNSに投稿した動画で、ロシア軍の兵士がワグネルの拠点をロケット攻撃をしてきたと非難。
そして
軍幹部の悪事を止めなければならない。
正義のために行進する。
と宣言。
戦う気満々です。
⑦24日:ロストフで衝突
ロストフ・ナ・ドヌでワグネルとロシア軍が衝突します。
プリゴジンは音声で
ワグネル部隊が入った。
われわれを止めようとする者は破壊する。
と、逆らう者に対しては容赦しない、反抗するなということを発信。
ワグネルの戦闘機が、輸送隊に発砲した軍用ヘリコプターを撃墜したとも音声メッセージで主張しています。
南部軍管区司令部にいた以前から批判していたゲラシモフ司令官を捕まえようとするも失敗します。
⑦プーチンがプリゴジンに「厳しい措置」宣言
6月24日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がテレビ演説でワグネルの行動を「反乱」とし「厳しい措置」をとることを宣言しました。
その宣言に覚悟を決めたプリゴジンはロシア軍との全面戦争を選択。
ワグネル部隊は日本時間23時30分にモスクワ州に入ります。
⑧25日:ワグネルが撤退
6月25日午前2時半ごろ、ベラルーシのルカシェンコ大統領がプリゴジンとモスクワへの進軍をやめる合意をしたことを発表します。
その後、プリゴジンがワグネル部隊を撤退させることを、SNS音声メッセージで投稿しました。
ロシア人の血が流れることに対する責任を自覚し、われわれは、部隊を方向転換させている
首都モスクワに向かうとしていた部隊を引き揚げさせていると主張したのです。
あまりにもあっさりとした幕引きに、びっくりです。
プリゴジンの今後はどうなってしまうのかにも注目です。
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