2023年11月1日、徳島県の佐那河内保育所(さなごうちほいくしょ)での不適切保育について、村が会見を開きました。
佐那河内保育所では、3年間で虐待や不適切保育が30件あったとのことです。
不適切保育の内容は
- 感染症をうつそうとキスをさせる
- 吐いたものを食べさせる
など、信じられないような虐待も行われていました。
今回は佐那河内保育所の所長の梯卓義さんについて調査しました。
佐那河内保育所で不適切保育
佐那河内保育所では、2021年度から3年間で虐待・不適切保育が30件という調査結果を佐那河内村が公表しました。
・20代〜40代の女性保育士5人が行っていた
・少なくとも9人の園児が被害に遭っていた
(当時1歳〜2歳児)
・虐待や不適切行為が2021年度から30件発覚
とのことです。
虐待や不適切行為の内容はこちらです。
『調査により認定した事実・虐待行為(身体的虐待など)15事例』
- 複数の児童に対して叱る際に、児童の背部、臀部または大腿部を、掌で叩いた。
- 複数の児童に対して、泣いて嫌がるのに、むりやり食べさせたり、口から吐き出した食べ物も食べさせ、その結果、一部の児童は食事の時間になると動悸が激しくなり、激しく泣くなどの身体的変調をきたした。
- 抹茶プリンを嫌がる児童に対し、口からはみ出した抹茶プリンを指ですくって口に入れたり、その顔を上に向けて掌で抑えたり、さらに、顎付近を指先で押さえて口を閉じさせようとするなどして無理やり食べさせた。
- 児童に対し、牛乳を飲むのを嫌がって騒いだことから、椅子を引いてその場で立たせ「いい加減にしなよ」と言って、その背部を掌で叩くなどした。
- 2人の児童に対し、午睡の時間になり、他の児童が寝入っているにもかかわらず、昼寝することを禁止し、他の児童より約50分遅れで、順次昼寝の許可を与えた。
- ⑤で昼食を遅らせた児童のうち1人に対し、午睡の起床時間や午後のおやつの時間を過ぎても起こさず、午後3時40分ころに自ら目覚めるまで放置した上、おやつを食べさせなかった。
- 複数の児童に対し、嫌いな食べ物が口に残っているために飲み込めずにいるにもかかわらず、飲み込むまで座らせ、午睡の時刻になっても放置した。
- 複数の児童に対し、その背後から、自身の身体を児童の背部や頭部に押し付けて、児童が逃げられないようにした上で、スプーンでその口に押し入れて食べさせた。
- 複数の児童に対し、同人らを感染症に罹患させようとして、感染症の症状を示している児童の鼻水を身体に付けたり、キスをさせたり、くしゃみを浴びさせたり、身体と密に接触させたりした。
- 複数の児童に対し、同人らが口に入れて咀嚼又は嚥下後に口から吐いたものを食べさせた。
- 児童に対し、下半身をおむつだけで過ごさせた。
- 児童に対し、机の上にこぼした牛乳を、紙片でかき集めてコップに入れて飲ませた。
- 児童に言葉を教えていた保育士に対し、言葉を教えるのを制止し、その児童の発達を阻害。
- 冬に散歩中の児童の下半身の衣服の大部分が濡れた状態だったにもかからず、直ちに保育所に戻らず、予定通り散歩を続けて濡れた衣服を着た状態で散策させた。
- 一人で靴が履けない児童に靴を履くのを助けないまま放置して、長時間、園庭で遊べないまま放置して、長時間、園庭で遊べない状態にした。
『虐待等(虐待以外で当該児童の心神に有害な影響を与える行為)の3事例』
- 冬の時期に、児童を散歩に連れ出す際、複数の児童に対して防寒着を着させずに活動させた
- 児童に対しその面前で発達の状態を揶揄する趣旨の発言
- 複数の児童に対し、その面前で「アホ」「バカ」などと言った
『不適切保育の12事例』
- 部屋内を走っている児童を制止するために、机を飛び越えて、児童を捕まえた
- 児童の排便が床に落ちても、ティッシュで拭くのみで、消毒をしなかった
- 佐那河内保育所の職員が以下の様々な場面で児童から目を離していた状況
(ア)5歳児クラスの担任が2人から1人に減少したために、児童全員に目を配れる状況になくなったにもかかわらず、直ちに増員せず、10月まで放置した
(イ)草むしりや畑作業を理由に児童から目を離していた
(ウ)児童たちが園庭で遊んでいるにもかからず、保育士が向き合って話し込み児童から目を離していた
(エ)保育中に、児童に背を受けて書き物などの業務をした
(オ)保育中にスマホ操作をしていた - 複数の児童に対し、保育中に保育活動とは無関係なホラームービーを見せて怖がらせた
- ホール内に児童が集まって整列している際に、その列を乱したり、制止できない児童に対し、その背部を叩いたり、その身体をつかんで引っ張るなどした
- 複数の保育士が保育時間中に他の職員との間で児童の身体的特徴を揶揄する発言をした
- 複数の児童に対し予め食事の量を半分に減らした上、更に食べたい旨を要求しても、これを拒んで食べさせなかった
- 児童に対し、紙おむつを2枚重ねて履かせた状態で過ごさせた
- 児童に対し、理由もなく、ズボンを降ろしたり、脱がせたりを繰り返し、何度もズボンをはかせた
- 複数の児童に対し発達状態を揶揄する発言や「ここはあんたの来るところちゃうよ。よそに行って」などと発言
- 2人の児童に対し、ほかの児童が自由に遊んでいるにもかかわらず、手をつないで園庭等を走らせた
- 絵本を読んで欲しいと求める児童に対して「うるさい」「やかましい」などと言った
私も以前、保育士として働いていましたが、信じられない内容の数々に驚きが隠せません。
児童を一体なんだと思っているのでしょうか?
1歳児から2歳児クラスで行われていました。
まだはっきり話す事ができず、保護者にも何があったか話すことのできない年齢の児童に対して、虐待や不適切保育をしていたことが許せません。
また、1歳児〜2歳児クラスなら確実に複数担任です。
他の保育士もいる中で、先述の内容の虐待などをしていたとのことで、昔から日常的にこのような虐待が頻繁に行われていた事でしょう。
佐那河内保育所の詳細
多数の虐待や不適切保育が行われていた保育所は「佐那河内保育所」です。
住所:〒771-4101 徳島県名東郡佐那河内村下中川原13−1
- 保育の目標
( 1 ) 基本的生活習慣が身につくように
( 2 ) 自分の意思や考えをはっきりいえるように
( 3 ) 遊びや活動に進んで参加する自主性を
( 4 ) 約束やきまりを守って協調していく態度を
( 5 ) 自然や親しみ、豊かな感性が育つように - 運営方針
地域に根ざし、開かれた保育所、「佐那河内が好き」ふるさとを愛する子どもを育
てます。自然を取り入れた保育を行い、地域交流を活発に行います。
令和5年度 利用定員及び利用人数
○ 利用定員 70人
○ 利用人数 51人(令和5年10月1日時
佐那河内保育所の定員は70人ですが、2023年10月1日時点では51人と、少なめです。
佐那河内村は2023年5月の時点で、不適切保育があったことを公表していました。
その時点で退園や転園させた保護者もいたでしょうし、少子化の影響もありそうです。
佐那河内保育所・梯卓義所長のプロフィール
佐那河内保育所の所長は梯卓義さんです。
名前:梯卓義
読み方:かけはし たかよし?
職業:佐那河内保育所 所長
梯卓義所長は今回の虐待や不適切保育に対して、インタビューに答えていました。
梯卓義所長は「全部をはっきりと聞いていない」と答えています。
びっくりするしかなかったんですけど、子どもさんには大変、申し訳なかったかなと。それは一番思いました。
所長はそのことについて知っていたんですか?知っていなかったんですか?という質問はありました。
所長として責務を果たしていなかったという話を答えさせていただきました。
私も30件全部聞いていないのですよ、そのうちの1つ2つぐらいだったと思うんですね。はっきりと話を受けてないので
佐那河内保育所のトップである所長が虐待や不適切保育の内容をしっかり把握していないとは・・・
なんだか他人事のようで驚きです。
梯卓義の経歴
佐那河内保育所の所長、梯卓義さんの経歴を調査しました。
梯卓義さんは、2015年時点では「総務企画課の課長」であったことが分かりました。
HITACHIの自治体クラウド化の記事に、佐那河内村の担当者の1人として梯卓義さんがいました。
なので、元々は「佐那河内村役場」に勤めていた「村職員」でした。
村職員を退職後に、2022年4月に佐那河内保育所の所長として再任用されました。
名前だけの保育所の所長で、保育に関しては素人でしょうね。
インタビューでも他人事のような受け答えをしているのも、普段保育に関わっていない事がよく分かります。
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